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研究内容RESEARCH

不確定環境下における電力システムのロバスト信頼度に関する研究

ロバスト信頼度

研究の概要
我が国では,2030年までに太陽光発電導入量を約53GWとする目標が掲げられている。 一方,太陽光発電の出力は,天候条件に依存して変化する(急激に変動することもある)。 このため,電力システムに太陽光発電が大量に導入された場合,配電系統の電圧調整,出力変動を吸収する 調整力不足や周波数変動等の供給信頼度に関する問題が指摘されている。現在,世界的にN-1信頼度基準が 採用されているが,系統運用において,N-1基準とは過負荷,電圧上下限,電圧安定性,過渡安定度,周波数変動 (需給バランス制約)といった制約条件を満たすことである。このN-1信頼度基準を満たす運用領域(発電機の出力領域) を静的信頼領域(SS領域:Static Security Region)と呼び,特定の時間断面で定義する。 次に,太陽光発電の予測誤差を考慮し,この変動パラメータ の不確定性が存在しても信頼度が満たされる 運用領域をロバスト静的信頼領域(RSS領域:Robust Static Security Region)と定義する。 当研究室では,過渡安定度解析および太陽光発電の不確定出力範囲を考慮した上で信頼度の定量的評価に関する研究を行っている。

開発ツール:
Mathworks MATLAB/Simulink 2017a link,
IBM ILOG CPLEX Optimization Studio v12.6.3 link

関連論文:
Naoto Yorino, Abdillah Muhammad, Yutaka Sasaki, Yoshifumi Zoka, "Robust Power System Security Assessment under Uncertainties Using Bi-Level Optimization," IEEE Transactions on Power Systems, Vol.PP, No.99, pp.1-11, April 2017 Link

科研費:
基盤研究(C) "電力系統のロバスト信頼度に関する研究," 2014年-2016年 link


次世代スマートグリッド向け需給制御マネージャの開発

需給マネージャ

研究の概要
環境負荷低減の観点から運用時に化石燃料を消費しない再生可能エネルギー電源(Renewable Energy Source; RES)が注目されている。 特に,我が国では太陽光発電(Photovoltaic; PV)の積極的な導入設置が活発に行われている。しかし,PVは,日射量の時間的・空間的変化に より出力が不確定になる。そのため,既存の火力発電機やディーゼル発電機等の可制御電源群によって,出力計画と制御を行いながら, 電力供給の安定化を図っていく必要がある。一方で,日射量の正確な予測ができれば,既存火力機や水力機,および蓄電池(Storage Battery; BT)を 含むエネルギー貯蔵装置の効率的な運用計画が可能となる。さらに,予測誤差やその分布を解析すること安定な需給制御に向けた予備力確保も可能となる。 このような背景から,一般に予測手法の開発に加え予測に基づく高度な発電機の需給制御手法が重要視され,当研究室でも需給制御シミュレータ(電力需給マネージャ)を開発している。

開発ツール:
Mathworks MATLAB/Simulink 2017a link
IBM ILOG CPLEX Optimization Studio v12.6.3 link

関連論文:
Yutaka Sasaki, Naoto Yorino, Yoshifumi Zoka, Imam Farid, "Robust Stochastic Dynamic Load Dispatch against Uncertainties," IEEE Transactions on Smart Grid, Vol.PP, No.99, pp.1-8, March 2017 Link
佐々木豊, 餘利野直人, Imam Wahyudi Fardi, 清木場大, 朝田光雅, 馬 立英, 造賀芳文, "ローカル電力需給制御に適した太陽光発電量の予測手法," 電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌), Vol.137, No.7, pp.538-545, July 2017 Link


同期発電機を模擬する単相同期化力インバータに関する研究

擬似同期化力INV

研究の概要
電力システムの末端は単相交流配電線で構成されているが,単相交流では同期安定性を実現できない。 このため,従来の技術では災害時に太陽光発電など単相電源を活用する方策には限界があった。 当研究室では,単相交流配電線に接続して三相交流システムと同等の同期化力を発生させる単相交流同期化力インバータを提案している。 この単相交流同期化力インバータを用いて,単相交流マイクログリッド(単相μG)を構築するための技術開発を行い,広島大学工学部研究教育棟にて実証試験を実施する。

開発ツール・計器:
Mywayプラス 回路シミュレータPSIM v11.0 link
Mywayプラス パワエレ用開発ツール PE-Expert4 2台 link
Mywayプラス 非絶縁型双方向DC-DCコンバータ pOCEAN 5台
菊水電子工業 交流安定化電源 PCR1000LE 3台 link
菊水電子工業 交流電子付加装置 PCZ1000A 3台 link
YOKOGAWA スコープコーダ DL-850E 2台 link
YOKOGAWA プレシジョンパワーアナライザ WT-1800 2台 link

関連論文:
Yutaka Sasaki, Shinya Sekizaki, and Naoto Yorino, "Development of a Plug-in Type Synchronous Inverter for Grid Stability Enhancement," 14th International Workshop on Electroc Power Control Centers (EPCC14), Session2-6, May 14-17, 2017, Wiesloch, Germany Program PPT
関崎真也,餘利野直人,佐々木豊,中村優希,造賀芳文,西崎一郎, "同期機の動特性を考慮した単相擬似同期化力インバータの開発," 電気学会電力技術・電力系統技術・半導体電力変換合同研究会, PE-17-031,PSE-17-031,SPC-17-080, 久米島, 沖縄, 2017年3月8日〜10日 Program
科研費他:
基盤研究(B) "単相交流マイクログリッドの構築," 2017年-2019年 link
JST CREST "パワーデバイスレベルまで考慮した高精度なシミュレーション技術に関する基礎的理論および方法論の構築," 2013年-1015年 link
若手研究(B) "不確定リソースの大量導入に対応する同期化力付インバータモデルの開発," 2012年-2013年 link

電力システムにおける高速・高精度な過渡安定度解析(臨界トラジェクトリー)法に関する研究

臨界トラジェクトリ

電力システムは常に雷などの外乱にさらされており,多数の想定故障下で発電機の安定度を高速かつ高精度に解析する必要がある。 従来の過渡安定度解析手法として,シミュレーション法とエネルギー関数法が存在し,状況に応じて使い分けられている。 前者は系統の状態を逐次的に計算していき,その挙動から正確に安定度判別を行えるが,長い計算時間が要求されるという欠点がある。 後者は1度のシミュレーションを行うだけで,臨界故障除去時間(CCT:Critical Clearing Time)を求めることができるため高速計算が可能だが, 精度が悪いという前者とは逆の特徴を有している。これに対して当研究室では,系統の安定限界に相当する動揺方程式の解を計算し,CCTを求める手法を開発している。

開発ツール:
Mathworks MATLAB/Simulink 2017a link
電力計算センター 電力系統安定度解析システムPOPONAS link

関連論文:
Popov E. Hristov, Naoto Yorino, Yutaka Sasaki, Yoshifumi Zoka, Hiroaki Sugihara, "Robust Method for Detection of CUEP in Power Systems," IEEJ Trans. on Power and Energy, Vol.134, No.2, pp.162-169, February 2014 Link


その他の実施中研究テーマ

FACTS機器の最適配置に関する研究
系統運用への寄与に基づく無効電力価値の算出に関する研究
モデル予測制御を用いた負荷周波数制御(LFC)に関する研究
分散電源の不確定出力に柔軟に対応する次世代型システムの研究
過渡安定度を考慮した最適潮流計算法に関する研究
停電作業計画に関する研究
サポートベクターマシンを用いた電力系統安定化装置(PSS)制御に関する研究

過去に実施した研究テーマ

社会インフラの観点から見た送電設備形成と運用法に関する研究
不確実性を考慮した水力発電用貯水池の運用最適化に関する研究
送電可能容量ATCの計算法に関する研究
電圧安定性評価に関する研究
分散型電源の運用配置計画
分散型電源の導入による経済効果に関する研究
マイクログリッドの安定性に関する研究
マイクログリッドの電圧制御方式の研究
電気自動車の導入が需要家の経済性に及ぼす影響に関する研究
電気自動車の普及が需要家負荷カーブに与える影響に関する研究
配電系統内開閉器の最適設置に関する研究
自然変動電源を所有する発電事業者の利益最大化に関する研究
低速制御器と高速制御器の協調制御に関する研究
自然変動電源を含む電力システムの信頼度評価
配電系統における復旧人員コストと自然変動電源の導入を考慮した設備計画


広島大学
大学院工学研究院
電力・エネルギー工学研究室

〒739-8527
広島県東広島市鏡山1-4-1

TEL 0824-24-7668(佐々木)
EMAIL yusasaki"at"hiroshima-u.ac.jp *"at"を@に変えてください。
FAX 0824-24-3586